怒りを上手にコントロールするには

投稿された質問に、時間をかけて詳しく回答したのに、一方的にマイナス評価を付けられてしまった。そのような経験はありませんか? 中には、怒りを抑えられずに質問者に暴言を吐き、大きな問題に発展してしまうことも残念ながら存在します。怒りに任せた衝動的な行動は、人や物を傷つけたり壊したりする結果に繋がってしまいます。

怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングとして、アンガーマネジメントAnger Management)というものがあります。1970年代にアメリカで発祥し、現在は日本でも日本アンガーマネジメント協会が設立され、設立から2019年までに述べ100万人が講座や研修を受講しています。アンガーマネジメントでは、怒らないことを目的とするのではなく、怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになることを目標としています。

それでは、アンガーマネジメントとはどのようなものでしょうか?アンガーマネジメントでは、3つの観点から「怒り」にアプローチします。

  1. 衝動: 衝動は6秒我慢する

怒りのピークは6秒間だと言われています。そのため、その6秒間に怒りを抑えることができれば、怒りに任せた衝動的な行動を抑えることができます。「カッとなってつい~してしまった」とならないためにも、怒りを感じたら、その6秒間の間に、その怒りについて冷静な分析を行いましょう。

専門家としての活動に例えれば、質問者のネガティブなコメントに反応して言い返してはいけなせん。売り言葉に買い言葉となってしまいます。反論のコメントを書くのではなく、ここからプラス評価に転じることができるかを考えてみましょう。

  1. 思考: 不要な「~べき」を手放す

怒りとは、自分の思い通りにいかない時に生まれます。自分の中での「こうあるべき」という価値観が破られると、人はストレスを感じてイライラしてしまいます。

例えば、ABという2人が待ち合わせをしたとします。誰でも5分前に到着しているべき、という考えのAさんと、10分までの遅刻なら許されるだろうとのんびり到着する考えのBさんでは、待ち合わせの基準が異なります。結果として10分遅れで到着したBさんに対し、Aさんは待っている間からイライラするでしょう。自分の中に「~すべき」という基準が多く、強いほど、怒りは生まれやすくなります。相手の価値観は自分と異なることを許容する心も時には重要です。

  1. 行動: しょうがないことは割り切る

怒ったからといって、変えられることと変えられないことが存在します。例えば、せっかく海に行こうと計画していた日が雨だったとします。自分が怒ったところで、天気は変えることができません。気持ちを切り替えて、映画に行くなど雨でも楽しめるプランに変更しましょう。自分が怒ったところで何も変わらないのであれば、怒るだけ無駄です。

アンガーマネジメントは実生活でも非常に役立ちます。怒りを減らすことにより、ビジネスにおいては生産性の向上が見込まれます。プライベートでは家族、友人と良好な人間関係が築けるでしょう。「笑う門には福来たる」ということわざもあります。怒りと上手に付き合い、ストレスの少ない日々を過ごしてみませんか。

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